これからの季節、さつまいもが美味しくなる時期に入ります。
つい先日も私の息子が保育園の行事でおいもほりに行きたくさん持って帰ってきました。
なかなか直ぐには消費出来なかったので、何日か放置し、いざ食べようと手に取るとなにやら黒い斑点のようなものがあったり、実際切ってみても黒い点の様なものがあったり。
果たしてこのさつまいもの黒いもの、
- コレ食べれるの?
- 食べても問題ないの?
- 周りの食べ物に影響を及ぼすものなの?
と疑問に思いました。
同じ様な疑問を持った方も居るのではと思います。
ではその黒くなる原因と理由、また黒くならない方法があるのかをお話したいと思います。
さつまいもが黒くなる原因はコレ
ではまずさつまいもが黒くなる原因をお話しします。
さつまいもが黒い原因は、ヤラピン、クロロゲン酸、低温障害と3つの原因によって黒くなります。
ヤラピンはさつまいもの皮や端に黒い蜜の様な塊のものを示します。
さつまいもに元々入っている成分が染み出て固まったものなので、食べても問題はありません。
またこのヤラピンは、甘いさつまいもによく出てくるそうなのでそのさつまいもが甘くて美味しい証拠と言えます。
クロロゲン酸は、加熱した際に出てくる現象です。
アルカリ性の食品と反応して黒くなるそうです。
重曹やベーキングパウダーはアルカリ性なので揚げたり、蒸しパンなどにすると黒くなります。
低温障害は、名前の通り保存する温度が低いと現れる現象です。
これは全体的に現れる現象なので、食べずに捨てることをお勧めします。
では次に詳しく説明したいと思います。
さつまいもが黒くなる理由はコレ
さつまいもが黒くなる理由は、3つの要因。
- ヤラピン
- クロロゲン酸
- 低温障害
ヤラピン
さつまいもが黒くなる原因の一つがヤラピンですが、聞き覚えがない方が多いと思います。
ヤラピンは、さつまいもを半分に切ったとき断面に出てくる白い液体で、便秘解消に役立つ栄養素です。
ヤラピンは胃の粘膜を保護したり、腸の動きを活発化してくれるため便秘解消に作用します。
そのヤラピンが染み出て黒くなるそうです。
ヤラピンは色の変化がしやすいため、さつまいもを切ってしばらく置いておくと、断面が黒っぽく変色していきます。
調理前に変色しても食べられますが、ヤラピンの栄養分が強いさつまいもだと苦みを感じます。
ヤラピンの特徴は、
- 両端の切り口が黒い
- 皮に黒い固まったもの(かさぶたのようなもの)が付いている
- 切ったら断面に黒い斑点が出る
さつまいもの端っこの黒いシミや黒い塊がある部分もヤラピンが酸化したものです。
この部分も食べても問題ありません。
しかし、さつまいもの端は、ヤラピンが集まっている部分なので苦みがあります。
また、食物繊維が集まっているので、固さもあります。
あまり美味しくないので焼き芋の時は端っこは残してしまった方が良いでしょう。
料理に使う時は端は捨ててしまった方が無難です。
クロロゲン酸
クロロゲン酸の特徴は、加熱すると断面が黒っぽい色や緑色に変化します。
クロロゲン酸はさつまいもに含まれているポリフェノールの一種です。
そのクロロゲン酸がアルカリ性のものと反応すると、さつまいもが黒っぽい色や緑色に変色します。
これも先程のヤラピン同様に苦味はありますが、食べれないことはありません。
低温障害
特徴として、切り口が黒っぽく変色しています。
原因として保存方法の問題があります。
さつまいもの適温は13~16℃と言われています。
さつまいもの低温に弱いため、冷蔵庫に保存していた時や冬の寒い時期に低温障害になりやすいのです。
一部だけ変色している場合はその部分だけ切り取って、残りは食べることができます。
しかし、低温障害は全体的になることが多いため、全体的に黒ずんでいれば処分するようにしたほうが良いです。
さつまいもを上手に美味しく保存する方法を知ると低温障害を防ぐことが出来ます。
その他黒くなる原因としてカビがあります。
さつまいもにはカビが好む水分や栄養が含まれているうえ冷蔵庫などの低温で保存することもないので、フワフワとしたワタのような白カビや、緑色の青かびが生えることがあります。
表面についたカビを洗い流して落とすことができれば食べても大丈夫ですが、カビが付いている部分が内部まで変色している場合はその部分を切り落としてから食べましょう。
また一見カビなのか違う汚れなのか分からないこともあるのでカビの特徴も少しお話ししたいと思います。
カビの特徴は4つあります。
- 表面がプニプニと柔らかい
新鮮なさつまいもはしっかりと硬いですが、柔らかくなっているさつまいもはカビが生えたり腐っている可能性が高いです。
そのまま進行すると触っただけでさつまいもの形が変わったり崩れてしまったりとどんどん悪化していくので、柔らかくなったさつまいもは食べずに捨ててしまいましょう。
- 酸っぱい匂いがする
さつまいもから酸っぱい匂いがした時も、食べるのはやめた方が良いでしょう。
酸っぱい匂いの他にもカビ臭い匂いがする事もあり、こちらの場合はほぼ確実にカビが生えています。
どちらにしても、さつまいもからおかしな臭いがした時は危険です。
- 表面に滑りがある
さつまいもは腐ると、表面に滑りやべたつきがでる場合があります。
通常のさつまいもとは違うべたつきを感じたら、カビが生えている可能性もあるので注意して下さい。
- 白いワタのようなものがついている
さつまいもを保存しておくと、白いワタのようなものが付いていることもあります。
これはカビなので、発見したらすぐに取り除くようにしましょう。
ただ、さつまいもは腐るスピードが比較的遅いので、見た目や臭いに変化が無ければカビを取り除いて食べることができる場合もあります。
白いワタの様なカビをさつまいもに付けたままにしておくと、そこから水分が抜けてしまいシワシワのさつまいもになってしまいます。
こうなると味もかなり落ちてしまうので、シワシワになるまで進行したさつまいもは捨てた方が良いです。
酸や温度による黒っぽいものは食べても問題は無いですが、カビは食べれないのでよくさつまいもを見て判断して、もし少しでもわからなくて不安な時はもったいないですが捨てるのが賢明かもしれません。
さつまいもが黒くならない方法を解説
では最後にどうしたら黒くならないのかというお話をしたいと思います。
やり方は5種類ありますが、どれも簡単に出来ます。
- カットした後に水につける
- 水の中で手で揉む
- 皮を剥いておく
- レモンや酢と煮る
- 新聞紙で包んで冷蔵庫に入れる
順番にお話ししていきます。
カットした後に水につける
さつまいもを水につけることによって、変色を防ぐ方法は以下の通りです。
【やり方】
- さつまいもを切る前にボウルなどに水を用意する
- さつまいもを切る
- 切ったさつまいもをすぐに水に入れる
- 水の色が変わってくるので変わらなくなるまで
水を取り替えながら10~15分間つける
さつまいもは、水の色が変わらなくなるまで水に浸けるようにしましょう。
さつまいもの切り口が空気に触れるとすぐに黒くなり始めるので、切ったらすぐに水に浸けることがポイントです。
水の中で手で揉む
水の中で揉んで変色を防ぐ方法は、以下の通りです。
【やり方】
- ボウルなどに水を用意する
- さつまいもを切る
- 切ったさつまいもを水の中に入れ手で数回揉む
水を入れ替えながら10~15分つける方法に比べて、こちらの方法なら短時間でアクを抜くことができます。
食べるまでに時間がないときは、こちらの方法を試すと良いかもしれません。
皮を剥いておく
さつまいもの皮を剥いて変色を防ぐ時のポイントは、さつまいもの皮は厚く剥くことです。
さつまいもを黒くする原因の一つであるクロロゲン酸は皮の近くに特に多く含まれているため、皮を厚く剥くことで黒くなるのを抑えることができます。
ただ、それですべてのクロロゲン酸がなくなるわけではないので、さらに変色を防ぐには皮を剥いたさつまいもを水に浸けることが有効です。
レモンや酢と煮る
レモンや酢と煮ることでも、さつまいもの変色を防ぐ事が出来ます。
【やり方】
- よく洗ったさつまいも1本を輪切りにする
- 鍋に切ったさつまいもと水200㏄、砂糖大さじ2、レモン汁小さじ2を入れる
- 落し蓋をして弱火で約20分煮る
さつまいもに含まれるクロロゲン酸はアルカリ性の食品と反応して黒くなるので、酸性のレモン汁と煮ることによって黒くなるのを防ぎます。
また、酢も同様に酸性なので、レモン汁の代用とすることができます。
きれいな黄色に出来上がるので、あえて皮を付けたまま調理するのもおすすめです。
新聞紙で包んで冷蔵庫に入れる
新聞紙で包んで変色を防ぎたい時のポイントは、以下の通りです。
【やり方】
- 13~16℃で保存する
- 冷蔵庫で保存する場合は新聞紙に包む
気温が20℃より高いと発芽して腐りやすくなってしまうので、暑い時期には低温障害を防ぐため、新聞紙に包んでから冷蔵庫で保存しましょう。
さつまいもは水分にも弱いので、新聞紙に包むことで余分な水分を新聞紙が吸収してくれます。
湿気がたまるので、さつまいもを買った時のビニールに入れたままにしておくのは避けましょう。
以上の5つの方法があります。
どれも簡単では無いでしょうか。
まとめ
今回さつまいもの黒い斑点の話をしました。
さつまいもが黒くなる理由は、3つの要因「ヤラピン・クロロゲン酸・低温障害」でした。
どれも食べても問題はありませんが、カビの特徴も書いていますので、比較してカビと間違えないようにしましょう。
また黒くなるのを防ぐために出来る簡単な方法を5つ紹介しました。
どれも簡単に家にあるもので出来る保存方法なので、是非実践して美味しいさつまいもを食べましょう。
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